秋といえば紅葉ですね。
国土の3分の2が森林、
標高500m以上の地域が国土の4分の1を
占める日本は紅葉の観光名所が至る所に
あり毎年多くの観光客を楽しませて
くれますね。
今では、そんな観光名所の一つになって
いますが、昔は人がすれ違うときに
お互いに抱きかかえるように返さなければ
通れなかったほど狭く険しい山道が
名前の由来になった渓谷があるのを
知っていますか?
というわけで紅葉にはまだまだ早すぎる
GWにそんな渓谷へ行った時の記録。
場所
渓谷の場所は、秋田県仙北市田沢湖卒田に
ある、『抱返り渓谷』。
抱返神社
遊歩道の入り口手前の駐車場に車を停めて
まずは『抱返神社』を目指します。
目指すといっても遊歩道入り口から数分の
ところにあります。
荘厳な神社もいいですが、山の中にある
こういう小さな拝殿の神社もいいですよね。
抱返神社の主祭神は
水波能売神(みずはのめのかみ)という
神様だそうです。
こんなに飾り気のない小さな拝殿なのに、
写真に全体を納めきれていませんが・・・・
こういう由来を読むのも神社を訪れた際の
楽しみの一つですよね。
え~と、
『人がすれ違うときにお互いに
抱きかかえるように返さなければ
通れなかった』
が、名前の由来じゃなかったの?
どっちが本当なのか教えてよ百科おじさん。
抱返渓谷と呼ばれるようになった由来と
抱返神社と呼ばれるようになった由来は
別なのかな?
そう思っておきましょう。
こういうのは都合よく解釈するのが
一番です。
神の岩橋
赤い吊橋とエメラルドグリーンの水面、
二つのコントラストが素晴らしい
『神の岩橋』は絶好の撮影スポットと
言われているそうです。
確かに納得する素晴らしい景色です。
が、しかし、写真に撮ったかは
別の話です。
一応撮影はしたんですよ。 流石にね。
吊橋を入れるって思考もなく吊橋の上から。
というわけでスマホに残っているのは
エメラルドグリーンには程遠いただの
川の写真です。
実際はどのくらいエメラルドグリーンかと
言えば、こんなにエメラルドグリーンです。
スマホ内の写真探しまくったらありました。
よく撮ってた自分。偉いぞ自分。
ここに来るまでこんな鮮やかな色の川の
流れを見たことはありませんでした。
このエメラルドグリーンの流れを
見るだけでも来る価値ありですよ。
回顧の滝
木々の隙間から時々見える
エメラルドグリーンの水面の
鮮やかさを楽しみながら、
『回顧の滝』を目指します。
片道約30分~40分くらいだそうです。
山道、それも昔は人がすれ違うときに
お互いに抱きかかえるように返さなければ
通れなかったほど狭く険しい山道だった
みたいですから歩きやすい靴で行くのが
いいですね。
自分はエンジニアブーツでした。
あの家のおじいちゃん、
昔はこの辺じゃ有名な乱暴者だったのに
今じゃすっかりおとなしくなっちゃってね。
って感じの説明をされている
『若狭の急流』を抜け、
村人の葬式になると里に現れて悪事を
したなんていう迷惑な鬼が住んでいたらしい
岩屋を抜け、
崩落によって失われた道の代わりに
架けられた誓願橋を渡り、
誰しもが、へ~こんな険しい渓谷の奥に
お寺が在るんだと思ってしまいそうな
紛らわしい名を持つ景勝地で
撮ったのがこの写真ですが、自分の腕では
看板が謳っている状況を彷彿させるようには
撮れませんでした。
実際に見るとエメラルドグリーンの水面と
陽光によって作り出されるグラデーションが
とても鮮やかですよ。
そうそう、因みにどのくらい道が狭いかと
言えば観光地の遊歩道として整備されている
現在でもこの狭さです。
手を繋いでぴったりくっついて歩く
カップルなら二人並んで通れるかなって
道幅です。
昔はさらに狭く柵も無かったと想像すると、
抱返り渓谷と呼ばれるようになったのも
納得ですね。
そんなこんなで、抱返神社からちょうどよい
距離間隔で点在する景勝地を見ながら
歩くこと30分ほど
目的の『回顧の滝』が現れます。
何度も振り返り見たくなることから
名づけられたそうです。
『回顧の滝』と書いて『みかえりのたき』と
読みます。
みかえりと打って変換キーを押しても候補に『回顧』とは出ませんが、
『強敵』と書いて『友』と読むような
ものですね。
正に女性が着物を着替える様を
見るように・・・
今の時代これですらセクハラって
言われそうですね。
何度でも何度でも何度でもみかえり見るよ。 どこかで聞いたフレーズに似てるのは
気のせいです。
にしても昔の人は想像力豊かですね。
神代ダム
『回顧の滝』の先には神代ダムがあり、
本来は遊歩道をこのまま進むと神代ダムまで
行けるようになっているのですが、
何年も前から通行止めになっている
そうです。
通行止めになっていなければ片道約80分で
神代ダムまで行けるそうです。
『神代ダム』までは『回顧の滝』までの
距離の約3倍近い距離ですね。
通行止めになっているので素直に戻ります。 通行止めじゃなくても戻ってたと思います。
だってエンジニアブーツだったし。
ほぼ百年前
帰り道は来た道をひたすら戻ります。
当然、これから『回顧の滝』へ向かう人と
すれ違います。
すれ違う時は、落ちる時は一蓮托生と
決心し、お互いに抱きかかえ合いながら
すれ違いましょう。
抱きかかえるときは相手の了解を
もらってからにしてくださいね。
捕まりますよ?
同じ道を帰ってくるので帰りにも
『神の岩橋』を渡りますが、
やはりもっとも撮るべき橋全体を
納めた写真は撮ってません。
撮り忘れてても大丈夫です。
ネットにはプロが撮った『神の岩橋』の
画像がたっぷりアップされています。
そんなことより自分の目で見て渡った事実が
大事なんです。
そう思って撮り忘れを忘れるのが
いいですね。
物は考えよう言いようです。
それはさておき、『神の岩橋』は
秋田県でもっとも古い吊橋らしいです。
架けられたのは大正15年、
かれこれ百年近く前なんですね。
架けられた当時は森林軌道の一部として
人々の生活を支えた橋も、
今は神秘の渓谷への入り口へとその役目を
変えているようです。
抱返り渓谷はGWに訪れても
十分満足できる観光地です。
次は紅葉の時期に行き赤く染まった渓谷を
見たいと思っています。
まだ行ったことのない人は是非
行ってみてください。
エンジニアブーツ以外で行くのが
いいと思います。