青森を代表する作家太宰治が小説『津軽』で、
富士山よりもつと女らしく、十二単衣の裾を、銀杏いてふの葉をさかさに立てたやうに
ぱらりとひらいて左右の均斉も正しく、静かに青空に浮んでゐる。決して高い山ではないが、
けれども、なかなか、透きとほるくらゐに嬋娟たる美女ではある
と描写した美しい山、『岩木山』。
『津軽富士』とも言われる霊峰岩木山の麓に創建1200余年の歴史があり、重厚な
社殿は『奥日光』とも称される神社があります。
というわけで、津軽地方の山岳信仰の中心である岩木山の麓に在る『岩木山神社』へ
行った時の記録。
場所
ルートはどこから向かうかによって変わってきますが、弘前市側から岩木山を目指せば大抵大丈夫です。
岩木山を目指してどんどん進みましょう
さらに、どんどん進みましょう。
楼門への道
ナビのお姉さんの美声が指示するがままに車を走らせればやがて岩木山神社につきます。
岩木山神社は創建1200余年の歴史ある神社ですから入り口からは楼門すら見えません。
まずは神社入り口の一の鳥居ですね。
ここから、楼門への長く険しく危険な道がはじまります。
さらに、二の鳥居、三の鳥居と続きます。
実際は、そこそこ距離が長いだけで険しくも危険でもないです。
傾斜があるので普段家の階段の上り下りで息が切れる身には多少きつかったです。
石畳は見た目以上に凸凹しているので、歩きやすい靴で行くのがいいですね。
自分はエンジニアブーツでした。
出雲神社
二の鳥居と三の鳥居の中間くらい楼門に向かって左手の小路を抜けると『出雲神社』があります。
この神社には凶悪なモンスターをハントすべく幾多の戦いに挑み、そして散っていった勇敢な
モンスターハンター達を慰霊する『モンハンの碑』が、じゃなくて
満州国とモンゴル人民共和国の間の国境線を巡って発生した紛争で戦死した方達の
戦没慰霊碑、『ノモンハンの碑』があります。
あとこの出雲神社は、狛犬の代わりに恵比須様と大黒様が設置されていて珍しいです。
五本杉
そして楼門へ向かって右手には御神木『五本杉』が聳え立っています。
その名の通り、1本の根から5本の幹が分かれて伸びる御神木です。
5本に見えないかもですがちゃんと見れば5本です。
心の目も使ってください。
楼門が見えてくると
楼門まであと少しです。
左手には、『お守り授与所』
右手には立派なかやぶき屋根の『社務所』
さらに『手水舎』が見れます。
楼門
そしてついにたどり着いた『楼門』。
重要文化財になっているだけあってとても荘厳です。
人が結構写ってますが顔が判別できるレベルの人物は消しているので大丈夫なはず。
俺(私)を勝手にモデルに使ってるんじゃねぇって人がもしいたら、お手数ですが
お問い合わせから連絡してくださると助かります。
狛犬
神社に欠かせない存在と言えば『狛犬』ですよね。
神社ごとに個性ある狛犬が設置されていて、初めての神社に行くときはどんな
狛犬が設置されているかが楽しみの一つです。
岩木山神社の狛犬はとにかくかっこいいの一言です。
楼門の階段下に設置されています。
まずは向かって右側に設置されている口を開いている阿形の狛犬。
そして向かって左側に設置されている口を閉じている吽形の狛犬。
何がかっこいいって、毛の感じや目の勢い、そして何より吽形の狛犬がちゃんと有角なんですよね。
無角の阿形の狛犬、有角の吽形の狛犬、これが本来正しいらしいんですね。
でもなかなかこういう形で対になっている狛犬に出会えることは少ないんですよね。
稲荷神社
楼門をくぐり、中門の手前を右手へ進むと、末社の『稲荷神社』があります。
稲荷神社の狛犬は可愛いですね。
白雲神社
楼門をくぐり、中門の手前を右手へ進み、拝殿や本殿の柵と稲荷神社への道の間を奥へ進んでいくと
末社の『白雲神社』があります。
参拝する場所は狭く木橋を渡った先になりますので、前の人が戻って来るまで橋の手前で
待ちましょう。
岩木山神社
楼門をくぐれば、その先は中門、拝殿、本殿へと続いています。
『中門』、さすが『奥日光』と呼ばれるだけあって装飾がとても凝っています。
人が多すぎて全景を撮影するのは無理でした。
そしてやっと『拝殿』です。
奥の方に小さく『本殿』も写ってますね。
人が多すぎて(略
『岩木山神社』は顕國魂神、多都比姫神、宇賀能賣神、大山祇神、坂上刈田麿命、を
御祭神としています。
上で書いた五本杉の一本一本に、五柱の神、それぞれの神霊が宿られていると
いわれています。
五柱の神をまとめて岩木山大神と言ったりもします。
スライムがまとまってキングスライ(自粛
坂上刈田麿命というのは、征夷大将軍として活躍した坂上田村麻呂の父親ですね。
なぜ坂上田村麻呂の父親がという感じですが、岩木山山頂にあった社殿を再建したのが
坂上田村麻呂なんです。で、自分の父親も合祀したんですね。
その後、現在の弘前市十腰内に下居宮(麓宮)を建立し、山頂の社を奥宮としたり、
下居宮を現在の百沢に移したりを経て現在の岩木山神社になっています。
元々の十腰内の下居宮は今は厳鬼山神社として現存しています。
機会があれば是非一度訪れてほしいお勧めの神社それが『岩木山神社』です。
自分は岩木山神社へは何度も来ていますが、岩木山山頂の『奥宮』に参拝したことは
残念ながらまだありません。
今は、9合目までは車で行けるので機会をみつけて是非『奥宮』へ参拝したいと
思っています。
その際はエンジニアブーツ以外で行こうと思います。